1/27/2007

直島11



昔、プロジェクトが始まる前の直島は、老人と猫の島だったという人がいます。今でもやはりお年寄りと猫が目につきます。気のせいか、この島では猫もアートの一つに見えてきます。



直島10

昔から島の氏神さまだった護王神社も、家プロジェクトで新しくアートとしてよみがえっている。山道を登っていくと、急に目の前が開け、瀬戸内海が見渡せる所に、一見何の変哲もない小さな神社が建っている。なぁーんだ!とちょっとがっかりして近づくと、なんと石段がガラスになっている。このガラスの階段は地下の石室につながっているらしい。誰もいない所に一人地元の係らしい人がいて、懐中電灯を渡してくれ、穴の入り口を示して入れと言う。何かわからないまま進むと、そこにはさっきのガラスの階段の続きがあり小さな部屋になっていた。これは昔の古墳をイメージしたものとのこと。


1/20/2007

直島9

家プロジェクトの一つ、角屋は、宮島達男さんのアートで、土間や太い梁のある200年前の家の一室に、プールのように水をはり、そこにLED発光のカウンターが埋め込まれている。真っ暗な部屋で、そのカウンターが1から9までの数字をバラバラに点滅して幻想的な世界を作っている。説明によると、点滅時間のスピ-ド設定を地元の人々に依頼。人によって間隔がみんな違っていて、誰のがどこにあるかもわかるようになっているとのこと。ここでも地元の人とアーティストとの協力作業が見られ、プロジェクトがうまくいっている所以と納得する。



二つ目は南寺。建物は安藤忠雄さんによるもので、コンクリート打ちぱなしの多い氏にはめずらしく、焼き杉を使った窓のない木造の建物。中の作品(といえるのかわからないけど)はジェームス・タレル氏によるもの。
案内人に誘導され、手さぐりで全くの闇の世界に連れ込まれる。イスがあるもの見えないが、何とか座る。自分自身も前後の人も全く見えない。どのくらいの広さの部屋なのかもわからない。何が起こるかわからず、ドキドキする。案内人の説明によると、そこにじっとがまんして座っていると、前にスクリーンが見えてくるから、そうしたら席を立って、スクリーンにむかってゆっくり歩いていけと言う。エエーッ!どうしよう、見えてこないよぅ・・・4~5分のことだと思うが、暗闇で孤独だとひどく長い時間に思える。永久に出られないのではと心配になる。まもなく、ぼんやりと白っぽいものが前方に見えるような気がしてくる。でもこれって錯覚かも。そっと、横の席に手を伸ばすと、隣にいるはずの人がいない!ウッソー!もう限界!意を決して、そろりそろりと手を前にのばしながら、へっぴり腰で、うすぼんやりとした光に向かって歩きだす。やっと外で人の声が聞こえてきて、脱出成功!きっとみんな変な顔をして出てきたのでしょう。並んで待っている次の人たちが心配そうにしていました。これは後でわかったことですが、光を感じる能力が人によって違うようで、同行の中でも若い人は早く見え、かなりの年配の人は最後まで見えなかったようです!?

1/17/2007

直島8

直島には”家プロジェクト”というのがあって、古くからある本村地区の民家を改造して現代アートを取り入れようという試みが進んでいるそうです。そんな中、町の人々も協力的で、各家の表札やのれんなど思い思いの工夫がされて楽しいです。






1/14/2007

直島7

ベネッセハウス入り口の壁



柳幸典氏作”バンザイ・コーナー”昔なつかしいウルトラマンがびっしり並んで万歳をしている




リチャード・ロングの”瀬戸内海の流木の円”

直島6

2004年に作られた地中美術館は、もちろん安藤忠雄の設計。ネーミングからしてワクワクする感じ。安藤氏の言葉によると、”環境に埋没する建築”と”風景の継承”を考えて地中に埋めこんだとのこと。自然の光を取り入れるように工夫されているので、朝と夜、季節、天気によって見え方に変化があるらしい。ということは何回も来ないとその本当の面白さはわからないということ?三人の外国人アーティストによるスケールの大きな作品を体験(見るのではなく!)すると、今まで持っていた自分の固定観念が揺らいでくるのを感じます。案内をしてくれる、美術館のスタッフが白づくめの衣装(これもちゃんとコンセプトにそったデザインらしいが)で、例のパナウェーブの人を連想して、ちょっとこわかった。

次はベネッセハウスのミュージアム。ここには日本内外の現代アーティスト数人の作品がぽつんぽつんと好き勝手なところに置かれています。今まで私は、現代アートというと、何かわかりにくい、とか作者のひとりよがりとか思っていたけれど、ここの作品はみんな身近で暖かくておもしろいという印象を持ちました。



ブルース・ナウマン作”100生きて死ね”は100個のliveと dieのメッセージ(例えばtry and live,try and die: fail and live,fail and die: speak and live,speak and dieなど)が点滅するユニークなもの。

1/13/2007

直島5

キスチョコの愛称で親しまれている、大槌島は直島からすぐ近くに見える三角のかわいい島です。標高150mの小さな無人島なのに、島の中に岡山県と香川県の県境があるそうです。遠くに見えるのは瀬戸大橋です。



アーティストによる屋外作品と大槌島


直島4




直島のトレードマーク的存在の大きなカボチャが、ベネッセハウスの敷地内の桟橋の突端にもあります。

1/12/2007

直島3




山頂にある宿泊棟オーバルに行くには、ホテル専用の小さなモノレールに乗ります。傾斜がかなり急で、途中で自動的にイスの傾きが変ります!
夜、そこにあるバーに行きましたが、楕円形にくりぬかれた空とその下にある楕円形の池に映る光で作り出された幻想的な空間に足を踏み込んだ瞬間、音もなくピーンとはりつめた空気に息を呑みました。




次の日、昼間見ると、ちょっと夢から覚めてしまった感じですが・・おもしろい形状の建物でした。


1/08/2007

直島2


泊まったのはベネッセハウス。安藤忠雄さんの設計で、美術館とホテルが一体化した施設です。「ミュージアム」「オーバル」「パーク」「ビーチ」の4棟に分かれていて、部屋から廊下、中庭にいたるまで、細かいところにまで、気が配られていて、アートな空間を楽しむことができます。チェックインをするとカードを渡され、それがないと、エレベーターにも乗れないし、他の施設へも出入りできないというように、徹底的に宿泊者の安全性が保たれ、かつプライベートな生活を楽しめるように配慮されています。まるで美術館の中に住んでいるような気分に浸ることができます。



1/07/2007

新年は直島から


アートの楽園、直島は、瀬戸内海に浮かぶ小さな島(香川県)で、岡山(宇野港)からフェリーで20分。面積は8平方キロで、人口は約3500人。こんな小さな島が世界中から注目されているのは、歴史と文化を愛する島民と、自然を生かした現代アートと、安藤忠雄による建築のコラボレーションの魅力によるものだと思います。そしてそれを支えているのが、ベネッセ(よく生きるという意味)。いろいろなことにチャレンジする人々の活動に触れて活力をもらってきました。



島に近づきまず目にするのが、この異様な大きな真っ赤なカボチャ(草間弥生作)です。初めて見るとちょっと場違いでぎょっとしますが、この島のアートになじんでくると、不思議なことに愛着を感じるようになるのです。