1/31/2009

ふすま絵初公開

ポスターより

冬の特別公開第三弾。 嵐山にある天龍寺の塔頭、宝厳院が本堂の再建を記念して、田村能里子画伯に依頼して完成した障壁画「風河燦燦三三自在(ふうがさんさんさんさんじざい)が初公開されるというので、さっそく見てきました。今までのふすま絵の概念を吹き飛ばすような、斬新な色使いとテーマで衝撃的でした。「タムラレッド」と呼ばれる独特の赤を用い、麻布キャンバスにアクリル絵の具を使っています。朝昼夜の三つの部屋に分かれていて、仏教発祥の地インドを思わせる風紋流れる赤い山河に、33人の白衣の老若男女が描かれています。33という数字は観音様が三十三身に身を変えてこの苦の世界を救われたといわれることからきているそうです。



お庭も名園と言われていて、嵐山を借景にした回遊式庭園で、大きな獅子岩、きれいなせせらぎ、丸い石を敷き詰めた苦海などを歩いていると心が休まります。苔の緑がみずみずしくてとてもきれいでした。

島めぐり2


眼下に港、唐門を見ながら165段の階段を上ると、聖武天皇の命で行基が開いたといわれる宝厳寺の本堂(弁才天堂)にでます。江ノ島、厳島とともに日本三弁才天の一つである弁才天が祀られていますが、秘仏で残念ながら見る事はできません。



”弁天さまのしあわせ願だるま”というのがあって、お願いを紙に書いて姫だるまの中に入れて奉納してきました。


島めぐり1



この観音堂の前の唐門(国宝)は秀吉の廟所、豊国廟の正門を移築したもので、尾長鳥や動物、花などの装飾は、三百年前はさぞ豪華だったことだろうと思われます。堂内にはびっしりと巡礼者のお札が張られていました。 ここに安置されている千手観音立像は秘仏で60年に一度しか公開されませんが今年の5月には特別拝観の予定です。


観音堂をぐるっと廻りこむと、舟廊下(重要文化財)につながっていて、渡り切れば都久夫須麻神社本殿の横に出ます。豊臣秀吉が朝鮮出兵の折に使った御座船「日本丸」の船底骨組みを天井に使用していてとても趣があります。



この本殿も伏見城の遺構で、内部は豪華絢爛な天井画、柱、襖絵などがあるそうですが、今は保存のため公開されていません。境内の突き当たりは崖になっていて琵琶湖が一望に見渡せます。オフシーズンのため、人の気配がなくひっそりとしていて、おかげで神秘さを感じることができました。


1/30/2009

神の住む島へ



春を思わせるおだやかな日、西国三十三所の第30番目の札所、琵琶湖にうかぶ竹生島(ちくぶじま)に行ってきました。京都駅からJRで彦根まで50分、彦根港からは高速船で40分です(1日2便)。神の住む島と言われ、昔から人々に信仰されている霊場です。斜面にそそり立つ塔やお寺の屋根が見え始め、そろそろ上陸という時に、ふと見ると、あんなに晴れていた空がそこだけ小雨が降っていて、虹がかかっていました。なんという奇跡でしょう! 
さぁ神の島へ上陸です。


もともとは神仏が一体化した島でしたが、明治時代の神仏分離令以後は、宝厳寺と都久夫須麻(つくぶすま)神社に分かれています。観音堂の入り口の唐門は豊臣秀頼時代に移築された桃山時代のもので、苔むした屋根、天井や壁の絵などが素晴らしく、国宝になっています。数日前に降った雪がまだ少し残っていました。

1/26/2009

退耕庵


冬の特別公開第3弾は東福寺の塔頭、退耕庵です。小野小町ゆかりのお寺だそうです。入ってすぐ左に大きな地蔵堂があり、その中に小野小町作といわれている、びっくりする大きさ(3m)の玉章地蔵尊が安置されていました。本当かどうかわかりませんが、小野小町宛てのたくさんの恋文を張って作ったそうです(随心院にも同じようなものがあるそうです)。石田三成が関ヶ原の戦いの謀議を行ったお茶室などがある静かな小さなお寺ですが、必見は小野小町百才の像でしょう。これも小町本人が作ったとされるもので、”花の色は移りにけりないたづらに 我が身世にふるながめせし間に”の歌で有名な美女小町の、自分もいつかは老婆になるという無常観が感じられる、すごい姿です。そういえば、晩年流浪の旅の末に”吾死なば焼くな埋むな野に晒せ 痩せたる犬の腹肥やせ”と壮絶な歌を残して悲しい最期を遂げ、野ざらしになっていた小町を弔ったとされる補陀洛寺にある、骨と皮ばかりの体、落ち窪んだ目に皺だらけの顔の小町老衰像も写真で見た事がありますが、すごいですよね。美しい人ほど、老いて醜くなることに恐れを感じるのでしょうか。結局この時代には珍しく百才近くまで(92才とか不詳とかの説あり)生きたそうですから、悲しいことです。  

パンフレットの写真より

1/25/2009

やっときたぁ


"祇をんまり菊"さんから昨日やっと届きました。まり菊オリジナル泡立てネットが。
さてさてそれは何かというと、もう去年の話になりますが、東京の友人とやっと探しあて、恐る恐る足を踏み入れた、祇園のまり菊さん。どうみてもバーとしか思えない雰囲気の奥まったお店で、昼間は化粧品販売とハンドトリートメントのサロンを営業し、夜はいちげんさんお断りのお茶屋さんのホームバー(ママさんが以前は祇園の芸妓さんだったまり菊さん)となっています。そこのオリジナル泡立てネットがテレビで取り上げられて以来、すごい人気で品切れになってしまったのです。それがやっと入荷して送られてきたというわけです。
さっそく教えられたことを思い出しながら試してみました。あの時は違う世界に入りこんだようで、どぎまぎしてたからあまりよく覚えていないけど。でもまぁ見事に泡立ちました。かなりしっかりした泡なので、半日位は溶けないようです。この泡でお顔をマッサージしたら少しは効果があるでしょうか???

1/24/2009

毘沙門天ファミリー


冬の特別公開で83年ぶりに一般公開されるという東福寺の塔頭、勝林寺の毘沙門天を見てきました。東福寺には何回か行きましたが、名前すら知らなかったこのお寺、ちょっと奥まった所にありました。特別公開の時にはいつもボランティアの方が説明をして下さるのでうれしいです。


この毘沙門天は平安時代のもので、初めは東福寺の仏殿の天井に隠されていたものが夢のお告げによって発見されたものだそうです。右に安置されているのが吉祥尊天で奥様、左が善膩師童子で息子さん。家族が一緒に祀られているめずらしいものです。実際はこの写真よりは暗かったですが、陽が射すとあざやかな赤がきれだそうです。毘沙門天のお使いは”ムカデ”で、手前に置かれていたつぼには大きなムカデが彫られていました。

1/23/2009

遊び3

            祇園散策

今日は春を思わせる暖かさで散策にはもってこいの一日でした。でも今晩からは冷え込むそうです。雪が降るでしょうか?

1/22/2009

遊び2

           地主神社 と 八坂の塔

      清水寺三重塔 と 八坂庚申堂 

だんだんと悪のりしてきましたねぇ・・・ ちょっとロケハンの気分です。ただし思ったほど平らな場所が少なくて苦労しました。

1/21/2009

遊び1

            八坂神社と清水寺

そろそろ人出も少なくなってきたので、知人が作ったお気に入りの花入れを持って撮影に出かけました。けっこう観光の人達もいて、ちょっと危ない人に思われたかしら? 曇っていましたがあまり寒くはありませんでした。

1/20/2009

マヌカ


西陣は昔の織物の街の面影が残っていて散策には楽しい所です。その中でも今人気なのが、三上長屋の路地。130年の歴史がある袋小路の長屋に若いアーティスト達が住みついています。そこにドラートという蜂蜜専門店があり、小さなお店の中には棚いっぱいにいろんな種類の蜂蜜の瓶が並んでいて、お願いするとどれでも味見をさせてくれます。アカシア、レンゲなど高価なものから、桜、ユーカリ、タイム、マロニエなどめずらしいものまであり、迷ってしまいます。


そして買ったのが、ソバとマヌカ。マヌカは、古くから“癒しの植物”として大切にされてきた、ニュージーランド原産のお茶の木で、強い抗菌作用があるとのこと。消化器官内の善玉バクテリアを助ける作用や、対ピロリ菌効果があるので、消化不良や胸やけなどの改善、食中毒予防など、胃腸の調子を整えたい方にオススメのハチミツで、他にも、虫歯予防・美肌効果(!)・風邪や花粉症の予防にもなるというスグレもの! 本当かい?と思いつつも、今はインフルエンザがはやっていることだし、ちょっと試してみたくて小さな瓶を買いました。ねとっとしてちょっとクセのある味ですが、食事まえに一口食べると効果的だそうです。

1/18/2009

晴れ姿



三十三間堂では毎年1月の15日に近い日曜日に恒例の「大的全国大会」(通称「通し矢」)が開かれます。江戸時代に武士達が118メートルある本堂の縁側のひさしの下を端から端まで射抜いた「通し矢」にちなむ行事で、袴や振り袖姿の全国から集まった新成人男女が、60メートル先の的をめがけて技を競います。この日はご本尊の前で住職による「柳枝のお加持」というのもあり、拝観料は無料とのことで、朝早くから信じられないほどの人出で、あの千手観音の前も大渋滞(全く動けない)でした。



まずは成人男子が8時半から12人づつ2本の矢を射ること3時間(約900人)、つぎに成人女子が3時間(930人)。その後は称号者の大人達で、終わるのは4時頃。見ているほうも押すな押すなの混雑で疲れました。でも子供達のりりしい姿を、親達が誇らしげに写真に撮っているのを見ると、ああその気持ちわかるなぁ・・・私ももし京都に生まれ育ってたら、この日のために子供に弓道をやらせてたかもしれない!と思った一日でした。



こんなに弓道をやる人がいるの(弓道初段以上の人が参加できる)とびっくりするほどの二十歳の若者たちで、境内はあふれんばかり。男の子達の袴姿もなかなか、かっこよかったです。


1/16/2009

大豊神社


去年はねずみ年で、めずらしい狛ネズミがある大豊神社はすごい人気だったとのこと。今年は訪れる人もなくひっそりとしていました。ここの境内にはネズミだけではなく、奥にはサルとトリの狛もいます。ロウ梅の花が咲き出していました。

1/15/2009

うす化粧


今日は荒れた天気で大雪が降るという天気予報でしたので、朝早くから気になって目が覚めてしまいました。でも期待していた雪はなく、比叡山がうっすらと白くなっている程度でした。あっという間に日が射してきて、またもやどんどん溶けていきます。案の定、哲学の道には雪の気配なく、目指した法然院の白砂壇もうす化粧を残すだけでした。

1/14/2009

龍に会いに


冬の非公開文化財の特別公開が始まりました。観光客が激減のこの時期、京都のお寺もいろいろと大変そうです。今回は妙心寺の三門の公開がありました。めったにないチャンス!です。東福寺、大徳寺につぎ、三番目に古い三門だそうです。普段は公開されていないで、400年前のままの色がきれいに残っていました。楼上には、観世音菩薩と十六羅漢、極彩色鮮やかな飛天や鳳凰、楽器、波の絵などが柱や梁に描かれています。天井にはやはり龍がはっきりと描かれていました。息をのむ美しさでした。

パンフレットの写真より

臨済宗妙心寺は10万坪の境内に46の塔頭を持つ京都最大の禅寺で、全国に3500ものお寺を持つそうです。ついでに前から見たかった、法堂の狩野探幽による鏡天井の雲龍図も見てきました。8年の月日を費やしたというこの龍は八方にらみの龍と言われ、見る方向によって、空に上るように、又は降りるように、にらんでるように、又は優しい顔に見えます。説明の人の話によると、探幽は想像上の龍を描くのに苦労し、口はワニ、角は鹿、ひげはなまず、体はへび、目は牛を思いながら描いたそうです。ちょっとおもしろい話でした。

本より