2/05/2014

能と狂言@春秋座

今回は能(「船弁慶」)も狂言(「棒しばり」)もポピュラーな演目です。京都造形芸術大学の劇場、春秋座なので能舞台ではなく、花道もある歌舞伎舞台です。
楽しみなのは野村万作さんが船弁慶のアイ・船頭をなさることです。知盛の霊が出てきて、海が荒れ狂う様子を、小太鼓の大倉源次郎、大太鼓の亀井広忠さん他の囃子方の激しい演奏にあわせて万作さんが舟をこぐ仕草だけで表現しています。すごいです。        


「船弁慶」は歌舞伎では見たことがありますが、能では初めてです。思い出すのは三年半前に薬師寺で観た勘三郎さん、勘九郎さん、七之助さん親子の「船弁慶」です。どうしても勘三郎さんのお元気な姿がよみがえってしまいます。

「船弁慶」の作者は世阿弥の甥、音阿弥の7男小次郎信光という人で(「紅葉狩」も)、世阿弥の幽玄で難解な能の世界とは違う演劇的風流な世界を目指したそうです。

プレトーク(松岡心平氏と渡邊守章氏)によると、いつもの橋掛かりではなく、長い花道を使うというのは役者さんも緊張するそうです。また能の舞台の打ち合わせはその日に1回するだけとのこと。皆それぞれが真剣勝負なんだそうです。能面をがぶると足下しか見えないので長い花道は大変だろうなと思っていたら、静御前が泣きくずれる場面で、花道で半分落ちそうになった観世銕之亟さん。ハラハラしましたが、これは演技だったのでしょうか。

野村萬斎さんの「棒縛」はもちろん楽しみました。

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