今回の目玉は「木華開耶媛」(1929年)
古事記に出て来る女神を描いたものです。一重八重の桜、たくさんの野の花が咲き乱れる中、コノハナサクヤヒメがとても美しく、引き込まれてしまいます(図録より)。
「太子降誕」(1947年)図録より
聖徳太子の誕生を描いたもので、白の使い方が印象的です。同じ年、藤田嗣治と二人展を開催しているので、影響を受けたのかなと思わせる絵です。
この4年後、印象は聖徳太子をテーマとした三部作を最高裁判所の大法廷の壁画に描いているそうです(見てみたい!)。
「維摩」(1923年)絵はがきより
維摩居士が問答をしている様子が三幅対になっています。維摩教の経典にでてくる故事にまつわり、左下に鎧姿の文殊菩薩が描かれているのが興味深いです。
凛とした表情で迫力があります
渡欧後、作風がガラリと変わります。働く女性を題材に「八時間」(1951年)この後ピカソに惹かれ、陶芸や彫刻も手掛けるようになります。
スケッチも多く描きました。その中にはいつも彼自身が考案したサイン(上に見える赤い女性の横顔、iD)があります。素敵なヨーロッパの水彩画はいつでも堂本印象美術館で見ることができます。
病室で描いた遺作「善導大師」(1975年)
水墨と金の抽象画で表す浄土の世界、その中に阿弥陀如来の顔が薄ぼんやりと見えます。最後まで仏教心が強かったようです。