この薬師寺は檀家もなく、20世紀中頃までは焼け残った東塔だけでさびれていたのを、高田好胤さんが中心となって写経勧進による伽藍復興事業が進められ、金堂、西塔、玄奘三蔵院(平山郁夫さんの大唐西域壁画がある)などが次々完成していき、今もまだ続けられていると聞いて、写経をするなら、ここでやりたいなと思っていました。
何しろ筆を持って墨で字を書くというのは、うん十年ぶりのことです!どうなることやら・・・



さすがに除夜の鐘を聞きながらの越年写経会が催されるだけあって、写経場はとても広く、静謐の中、お香のにおいがただよい、おまけに暖房完備でした。お坊さんがやさしく教えて下さったので緊張することもなく、淡々と筆を進めることができました。何も考えず、頭の中が空っぽの状態で1時間半集中。ただ般若心経を写すだけでしたが、何かをリセットしたような気分の爽快感がありました。



あっという間に日が暮れてきました。太陽はもう西の山に傾いています。大急ぎで南門から外に出て、薬師寺の塔の遠景が眺められるスポット、七条大池をめざしました。けっこう遠くて、少し迷いましたが、なんとか間に合いました。夕陽に西塔が輝いて見えました。

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