7/06/2010

石見神楽(いわみかぐら)

昨日は京都造芸大の”日本芸能史”の講座、前期最後の授業で、”石見神楽”でした。神楽の歴史は古く、古事記、日本書紀の”天の岩戸”の神話にも登場しますが、今のような神楽が芸能として形になったのは室町時代以降とのことでした。その頃は神社の宮司さんが自然・神への感謝をあらわす神事として神社で舞っていたのですが、明治時代に”神職演舞禁止令”が出て、民間の人が演じるようになり、五穀豊穣を祈願する、生活に密着した芸能となり、今にいたっているそうです。今でも石見地区で130、島根県では237もの団体が保存継承しているとは、その多さにびっくりしました。


          ウェブページより引用

代表的な演目がこの「八岐大蛇」。スサノヲノミコト(天照皇大神の弟)が数々の悪行の末、高天原を追放され、出雲の国にたどりつき、そこで人々を苦しめていた八岐大蛇を退治する話です。ヤマタのオロチというのは、一頭の大蛇で八つの頭を持っているというイメージでしたが、ここに登場したのは、八頭の大蛇。すべて和紙で作られているという蛇腹、何メートルもあるものを一人で駆使し、とぐろを巻いたり、立ち上がったり、火を吹いたりとすごい迫力でした。


ロビーに飾られていた衣装。金糸、銀糸の 総縫いつぶしの絢爛豪華な衣装は何百万円もし、すごく重いそうです。これを着て激しい踊り、立ち回りをするのですから大変です。本当に日本にはまだまだ知らない芸能がたくさん残されているんだとこの講座を通じてつくづく思いました。

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