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国宝の多宝塔は源頼朝が寄進したと伝えられ、1194年に建立されたもので、日本最古のものだそうです。屋根は檜皮葦(ひわだぶき)で、今年46年ぶりの葺き替え修理となりました。
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なんと、その修理の過程を見学できるようになっています。
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これが檜の皮です。この皮は50〜60年成長した檜の立木からはぎ取ります。それをプロ職人が整形し、巾15cm、長さ75cmの皮にします。
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その皮を水に濡らし、1枚ずつ敷きならべていきます。1枚毎に1.2cmずつづらしながら重ね、4枚重ねると竹釘を2cm間隔で打ち込むそうです。一坪あたり、2,400〜3,000本の竹釘が使われます。
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この気が遠くなるような作業を、斜面で不安定な格好のまま、黙々と仕事をされています。斜め用の椅子を使っている方もいらっしゃいます。
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竹釘は長さ3.6cm、直径3mmで、これを20〜40本口に含み、一本ずつ舌で押し出し、金槌を持っている方の手でつかみ、檜皮に突き刺して打ち込みます。この一連の動作が目にも止まらぬ速さで、かつ4人が一斉に行います。いやー何というすご技!根気のいる仕事です。歴史的遺産を維持していくのは本当に大変なことだと痛感しました。