邸内は撮影禁止なので、パンフレットの写真で説明します。
なんと彼は家の中のお座敷に能舞台を作ってしまったのです。
ここは普段は畳が敷かれた大広間になっていますが、能が行われる時には松の絵が書かれている襖を敷居ごと後ろに移動すると、広い舞台とソデ(橋懸り)、地謡座になるそうです。床板下には大きな穴を掘って漆喰で塗り固め、よく響くようになっているそうです。何という発想でしょう! ここには大隈重信ほか、多くの著名人が招かれたのですが、地元の普通の人々にも広く開放されたそうです。こんな目の前で本物の能を見たら、みんな度肝をぬかれたでしょうね。
能舞台手前に見える欄間です。動物を形どった欄間も珍しいのですが、その上、よく見ると動物達が後姿です。これは動物達も能を見ている姿だそうです。
こちらのもう一つすごいものは29種類72枚の杉戸絵です。京都の絵師水野香圃に依頼したもので、保存状態がよく、きれいに残っています。それぞれ部屋にあわせた絵図で賞賛に値します。
杉戸絵「藤図」
杉戸絵「福の神図」
杉戸絵「蛍図」
この素晴らしい邸宅を残すにあたってはいろいろとご苦労があったようです。その辺の経緯については高取家の方がくわしく書かれているので、もし興味がある方はサイトを御覧下さい。
2 件のコメント:
本当に、すごいお屋敷ですね。驚きです、九州の「田舎」にこんな文化があったなんて。
昔のお金持や趣味人はケタが違いますね。でもそのお陰でこうして今、素晴らしいものを見ることができるのですわけですね。
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