京都博物館で「狩野山楽・山雪」展を見て来ました
今回は海外からの里帰り品や新発見の品を含み、83作品が展示されていてとても楽しみにしていました。
桃山時代、秀吉のおかかえ絵師だった狩野派ですが、秀吉没後、残党狩りの憂き目に遇いました。苦難を乗り越え京の地にとどまり、永徳の弟子筋によって独自の画風を確立したのが「京狩野」です。一方、徳川幕府の御用絵師となり江戸に移り、狩野探幽を代表とする軽淡な画風を開拓した狩野家本流を「江戸狩野」と呼ぶそうです。
大徳寺や妙心寺など所有の山楽、山雪二人の重厚な絵の障壁画がたくさん並びます。とりわけ山雪は研究熱心でいろいろなことを試したと解説されていました。今回最も注目度が高いのは、50年ぶりに里帰りがかない、同時に展示されたこの作品。
上はミネアポリス美術館所有の「群仙図襖」
下はメトロポリタン美術館所有の「老梅図襖」
もともとこの二枚の絵は明治41年頃建築された京都の片岡直温邸(元大蔵大臣・日本生命創立者副社長)にあった山雪による襖絵で表裏一体となっていたそうです。ちゃんと表と裏になるように展示されていて、ちょっと感動ものでした。
でも私が一番感服したのは山雪作のこの絵巻「長恨歌図巻」
アイルランド・ダブリンライブラリからの里帰り作品で長い絵巻2巻です。絹の布に描かれているのですが、鮮やかな色を出すために裏側からも色が塗られているそうです。
こちらは違いがおもしろかった、山楽と山雪の虎の図です。
右が山楽の「龍虎図屏風」の虎で勇ましい姿
左が山雪の「龍虎図」のちょっとひょうきんな姿
(絵はがきより)
(絵はがきより)
この二人の天才画家たちが京狩野派を守り、後の琳派や円山応挙、伊藤若冲などを生み出したとされています。京博の今回の展覧会に対する意気込みが感じられる見応えのある展覧会でした。
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