8/31/2007

サン・レミ・ドゥ・プロバンス


広くて明るいプラタナスの並木がえんえんと続く道を走り抜けると、サンレミに着く。郊外にはゴッホが晩年入院していた修道院(精神病院)があり、現在も使われている。あたりはアルピ-イユ山脈、オリーブ畑、糸杉、林や草原があり、とても静かで穏やかな所。ここでゴッホはたった一年の滞在の間に、100枚のデッサンと160枚の絵を描いたとのこと。彼が収容されていた部屋が再現されており、当時の病院の様子や治療法などの説明が詳しく書かれてていた。彼はここを出て数ヶ月後に自殺をしている。



















 ゴッホが滞在中、実際に絵を描いた場所20数箇所に絵のパネルが表示されてあって、


それをたどりながら歩くと、村を一周できるようになっている。
当時より家が増えて、景色がすこし違う所もあるが、静かで良い村だった。

夢のあと



ローマ時代にイタリアとスペインを結んでいた、フランスで最も古い道に架けられたこの橋は紀元前3年に造られたものこと。2000年以上経った今はほとんど忘れ去られたように、訪れる観光客もなくひっそりと、下を流れる川もほとんど涸れていた。

8/29/2007

ボリーの村


ゴルドの近くに16世紀頃作られた石造りの家が保存されている。平らな石を積み上げただけの家で、この工法は新石器時代からあるという。

19世紀までは実際に人が住んでいたというから驚き。外は焼けるように暑いが中はひんやりと気持ちがよかった。

コクリコ(ひなげし)



プロバンスの風景といったら、すぐに浮かぶのはモネの”ひなげし”。本当はアルジャントゥイユというのはプロバンスではなく、パリの北東にある所らしいが、でもあの光織り成す草原はどうしてもプロバンスって感じ。うれしいことに、そのひなげしの中を歩く妻と息子を描いたモネの絵に似た光景に偶然出会った!妻と娘を撮る父親。

オークルの道


ルシロンの村のはずれにオークルの採掘場があり、遊歩道になっている。削り取られた赤いむき出しの岩、どこまでも続く赤茶色の道。強い日差しの中をえんえんと歩いていると、突然、突風(プロバンス名物冬のミストラルのような)が吹き荒れ、足元の赤砂が舞い上がり、視界ゼロとなり、体中に大粒の砂があたって痛い!前に進むこともできず、立ち往生。頭の先からジーパン、靴まで砂まみれになってしまった。



ここの砂を採取して売っている

赤い村 ルシヨン

この旅行でどこが一番印象的だったかと聞かれたら、即座に答えるのが、 ここルシヨン。染料の原料となるオークル(赤褐色)の採石場があり、その土で作られた家も壁も道も赤一色に染まっている。







赤といっても、黄色がかった赤、ピンクの濃淡、褐色系など微妙な色合いの家並み

歩いていると、まるでメルヘンの世界に迷い込んだような感覚におちいり、自分も染まってしまう気がしてくる

近くの村ヴェナスク




ここも鷲の巣村だが、お土産やさんやカフェはほとんどない、静かな村。カメラに三脚を持って、先生らしき人と撮影旅行をしているドイツ人団体に会う。

8/28/2007

鷲の巣村 ゴルド


平地を走っていると、ひときわ小高い丘の上に古い石の家がびっしりと並んでいる鷲の巣村が見えてくる。このあたりでは 一番大きくてにぎやかな村ゴルド(映画”プロバンスの贈り物”にもでてきた)。中腹から見る村の全体像はため息がでるほど素晴らしい。噴水のある中央広場では市がたっていてにぎやかだったが、突然プロバンス名物のからっ風(冬のミストラルのような)が吹き荒れ、テントも品物もゴミのいっしょくたに舞い上がってしまった。土地の人は慣れたもので、一向にあわてず、さっさと店じまい。

8/27/2007

リュベロン地方


  三日後にはすっかり赤く

昼間は太陽がじりじりと照りつけ、すごく暑いが、朝晩は長袖でも寒いくらい。朝食のパンは毎朝7時ころに、ご主人がトラックで近くの村まで買いに行くので出来立てでおいしい。朝食後テラスでコーヒーを飲んでいると、いろいろな鳥の鳴き声が聞こえ、庭中に咲きこぼれるバラの香り、草、ハーブの匂いが入り混じった、ひんやり、さわやかな空気が全身を包み、思い切り胸いっぱい深呼吸。
ここはリュベロン地方。おいしいワインの産地で、ぶどう、さくらんぼ、メロンの畑やラベンダー畑が広がるのどかな田園風景の中に点々と農家やかわいい村があり、訪ねてみたいポイントがいっぱいある。


セナンク修道院

石の家



この古い家は400年前に建てられたもので。オーナーのマダムはドイツ人で、7年前にここが気に入って買い取り、ペンションを始めたとのこと。改修工事の時は、ドイツ人とフランス人の気質の違いで大変苦労し、ピーター・メイルの本”南仏プロバンスの12ヵ月”のストーリーそのものだと笑って話してくれた!手入れのいきどといた広い庭には丹精こめた花々が咲き乱れている。案内された部屋はテラスのある一階で、古くて暗いけれど、インテリアが素敵だ。



ここの飼いネコ

いよいよプロバンスへ

これから4泊するB&B ”La Bergerie” はひつじ小屋の意味。ガイドブックにも載っていないようなプロバンス地方の片田舎(ボウセ)にある。果たしてたどりつけるだろうか?頼りになる情報はインターネットでもらった住所のみ。一応、念のために手前の小さな村で、パンとワインなどの食料を調達し、道路標識を見逃さないように注意しながら、ぶどう畑の続く道をひた走り、背後に奇岩の山がそびえる谷間の細い道を不安になりながら進む。すれ違う車は一台もないし、だんだん暗くなるし、人家がある気配がない。ようやく道の突き当たり少し手前にがっしりとした古い石造りの家が忽然と現われ、ここ?という感じで車を止める。すると、家の中からためらいがちに華奢なマダムが出迎えてくれ、無事到着。

8/23/2007

小魚のごった煮


マルセイユに立ち寄った理由はだた一つ、本場のブイヤベースが食べたい!ということ。世界三大スープの一つといわれるが、もともとは漁師がの売れ残りの小魚をごった煮にしたのが始まりだそうな。ブイヤベース(bouillabaisse)の語源は「煮込む(bouill)+火を止める(abaisse)」の合成語であるといわれており、まさに「短時間で強火で煮込む」スープ料理でサフラン味はパリ風、トマト味はマルセイユ風と呼ばれるとのこと。スープと具が別々にでてきて、それをルイユという、卵黄、にんにく、チーズをオリーブオイルで練ったものをパンに乗せて一緒に食べる。最近は高級感を出すために具としてオマール海老やムール貝を入れるが、本当はこれは邪道らしい。で、食してどうだったって?うん、まあ、お値段の割には、何というか・・・体験料かな。


マルセイユの街

仏大統領選


南仏で一番スノッブな街サントロペ。豪華ヨットがいっぱい停泊している港のすぐ前が観光客であふれかえる通り。あまりの近さにびっくり。ヨットの中でパーティーをしている人達がまる見え!いったいどんな人種なんだろう。通りにはおしゃれなカフェやお店がずらりと並び、これまた、これみよがしに超高級そうなバイクがずらりと駐車してる。ちょっとひがみっぽかったかな・・・



この日はフランスの大統領選挙の日で、たまたま夜入ったレストランでもテレビ放送をしていた。8時の投票締め切り後、日本のように開票速報をやるのかなと思いきや、なんと投票はすべて電子化されており、少し前からいっせいにカウントダウンが始まり、8時と同時に結果が発表され、53%でサルコジ氏勝利が決定したのには驚いた。テレビ画面では仏国民が騒いでいたが、レストランではみんな淡々と見ていてのは、やはり外国の観光客ばかりだったからかな?

気をとりなおしてプロバンス編

昨日はまたまた暑くて東京は37度。ついに東京電力も電力の供給調整を実施したとのこと。今日はやっと雨が降り、涼しい日となりそうで、ほっと一息。そこで気をとりなおして、旅の続きを再開。
ちょうど今”プロバンスの贈り物”という映画が公開中で、さっそく見てきました。うーん、今回訪れた懐かしい景色が映画のシーンとだぶり私も登場人物になった気分!

8/21/2007

わぁこれも美味!


これも友人からいただいた讃岐の和菓子、”茶鞠”です。こんなおいしい和三盆は初めて。口に入れると、抹茶の香りと苦味がほわっと広がり、すぐそのあとに和三盆の甘みが混ざって何ともいえない味がかもし出されるのです。アー幸せ!と思ったときにはもう溶けてしまって口の中はからっぽ。今度はちゃんと濃ーいお抹茶と一緒に食べたいな。

閑話休題 宝石箱


毎日35度を越える猛暑が続いています。16日には熊谷でとうとう最高気温が40.9度を記録し、74年ぶりに記録を更新したとか。まさにヒートアイランド。今後ますますひどくなっていくのだろうと思うと恐ろしい限りです。
先日友人からとっても素敵なものをいただきました。7色のパステルカラーの小さな宝石箱です。いったい何に見えますか?まゆ玉?そっと一粒手にとると、力をいれなくてもつぶれてしまいそう。半信半疑で口に入れてみました!舌の上でさくっ、ほろっと溶けてしまう。あられというよりは、お麩のような感じ。ああ初めての感覚です。本当に幸せな気分になるお菓子です。



このお菓子の名前は”さぬきのおいり”。昔、丸亀城主のお姫様が輿入れするときにお祝いに献上されたのが始まりで、いまでも讃岐地方ではお嫁道具として持って行ったり、七五三やひな祭りなどのお祝い事に使われているそうです。とっても素敵なものをありがとう!