11/30/2008

鳥居本


今日来たかったのはここ、嵯峨鳥居本です。念仏寺からは歩いて5分くらいです。愛宕神社の門前町として栄えたところで、大きな赤い鳥居があります。平安時代には貴族が鷹狩りや舟遊びを楽しんだそうで、りっぱなお屋敷や茅葺きの家が昔の風情を残していて、重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。つたや、平野屋さんで、お抹茶と桜餅がいただけます。


ここの紅葉もかなりのものでした。


最高潮!

11月最後の週末、そして紅葉もそろそろクライマックス。まずまずのお天気だし、さてどこに行こうかしら?まだ京都に来て、行ってない所へ、という訳で奥嵯峨あたりを歩くことに。その前に通りかかったのが、清凉寺の横にあるお寺、宝筐院(ほうきょういん)。前に来た時にはあることすら気づかなかったのに、今日は人が出入りしているので、のぞいてみることに。狭い入り口を入ったとたん、息をのむ光景が。


回遊式庭園になっていて、いろいろな種類の花木が植えられています。ドウダンツツジの赤やオレンジ、黄色の葉になる木がモミジと重なって、それはそれはすごい色のハーモニーを奏でていて、頭の中まで染まってしまいそうです。南北朝に分かれて戦った敵同士(楠木正行と足利義詮)のお墓があるそうです。







次に向かったのは、化野念仏寺。歩いて30分くらいでしょうか。弘法大師が野ざらしになっていたものを集めてお寺を建てたのが始まりだそうです。風化した約8000体の石仏が並んでいる様は何ともいえない雰囲気を醸し出しています。お墓と思うと写真を撮るのを躊躇しますが、もうすでに悟りきった仏様と思うと、ちょっと可愛いい気がします。





真如堂


真如堂の三重塔と紅葉を見るのには夕日が当たる時がベスト。なかなかタイミングがあいません。この日も午後からは曇りがちで、無理かなと思いつつも一応寄ってみました。すると本堂の扉が閉められる寸前、少しだけ弱い日差しが射しこみました。



ねばった甲斐がありました

11/28/2008

あーあ、甘かった・・・


今はどこも混んでいるから、ちょっと穴場に行こう!と思って、洛北の鷹峰山方面に出かけることにしました。北大路のバスターミナルから出る超マイナーなバスに乗ります。ところが、着いてびっくり。バス乗り場には長蛇の列が。あーあ、甘かった・・・当地に着くとやっぱり観光バスもいっぱい来ていました。
まずは名妓吉野太夫で有名な常照寺へ。赤い可愛いい門の名前は吉野門、参道の紅葉がきれいでした。ここはめずらしく日蓮宗のお寺です。だからかどうかわかりませんが、お寺を紹介するビデオを放映していて、お坊さんの解説までありました。吉野太夫は美貌、教養を兼ねそなえ、14才で太夫になり、26才で駆け落ちをし、38才で亡くなったそうです。夫の灰屋紹益は嘆き悲しんで、亡骸の灰を全部食べたと、説明していました(ちょっとゾッとする!)。お茶室にある丸い窓、通称吉野窓はここからきてるそうです。吉野太夫のお墓があり、歌舞伎役者さんも訪れたり、4月には島原の太夫道中という行列があってにぎやかなようです。




次に行ったのは、源光庵。入り口には”血天井の寺”という看板がありました(本堂の天井には足跡なども見られます)。こじんまりとしたお寺で、入り口の門が素敵なのですが、人が多くて写真がうまく撮れません。


ここでの皆のお目当ては、本堂脇の、悟りの窓(円型で大宇宙を表す)と迷いの窓(角型で生老病死の四苦八苦を表す)から見る外の紅葉の景色です。人が群がっていて(私もその一人ですが)、静かな心地にはなれませんでした。紅葉の時期を外すとひっそりとしているらしいので、またいつか来ましょう。




あーあ、だんだん名所案内になってきてしまいました・・・
ついでに、光悦寺です。徳川家康から与えられた土地に本阿弥光悦が芸術村を営んだ場所です。北の鷹峰三山を見渡すことができ、七つの茶室が点在し、それぞれこじんまりとしたお庭があります。


竹を斜めに組んだ低い垣根を、光悦垣というのだそうです。

11/27/2008

またまた奈良へ

週末は奈良に行ってきました。まずは長谷寺。以前行ったはずですが、情けないことに全く記憶にありません。門前町が長くて、草餅やさん(帰りに食べた)、漬け物屋さん(試食した)、地元の酒屋さん(帰りに買った)などなど、楽しいお店がいっぱいありました。どのお店にも”長谷寺大観音特別拝観”というポスターが張ってありました。


広い境内で、やっと門に着いてもその先にえんえんと続く有名な登り廊下があり、本殿、五重塔へ行くためには、まだまだ上っていきます。もちろんその分、景観は素晴らしく、山や中腹のお寺の数々が見渡せます。
約10メートルで、木像では日本で最大級の観音様を祀っているのですから、本堂はさすがに大きいです。左手には蓮の入った水瓶を、右手には普通お地蔵様が持つ錫杖を持ち、蓮華座ではなく、盤石に立つ、珍しい観音様です(長谷寺式)。そして、今回の特別拝観とは何とプラス千円の拝観料で、堂内にもぐり、普通は見えない下半身部分を見る事ができ、おまけに、御足を触ることができるのです。別に信心深いわけでもないので、一瞬迷いましたが、まあ、折角の機会だからということで、入りました。真下から見るとデッカすぎて、拝むというよりは、ポカンと見上げるという感じでした。御足は長年の参拝者達に触られて、木像のはずなのに、黒くぴかぴか光っていました。



次に訪れたのは、奈良の紅葉の名所、談山神社。さすがに飛鳥の地です。歴史はぐっとさかのぼって、大化の改新のための秘密の談合の場所だったというのですから。ここから藤原氏の歴史が始まるそうです。きれいな十三重塔は鎌足の死を弔って建てられたものだそうです。それにしても昔の人は足腰が丈夫だったのですねぇ。





最後にどうしても行きたかったお寺、聖林寺へ着いた時は冷たい雨が降っていました。大和盆地にひっそりと建つこのお寺に、和辻哲郎氏や白洲正子さん他多くの仏像ファンに愛されている十一面観音立像が安置されています。残念ながら国宝のため、耐火建築の収蔵庫のガラスのケースに入っていて、直に見る事はできませんが、それでも”ミロのビーナス”と比較されるだけあって、身体のバランスがとても良く、表情も写真で見るよりも、ずっと穏やかで、包みこんでくれるような安心感を覚えました。たまたま一緒に見ていた親子のお母さんの方が、何やら両手を組んで上に挙げて(初めは伸びをしているのかと思った)、気を取り込み(多分)それを娘さんの頭の上に何回も降り落としていました。よくわからないけど、そういうお祈りの仕方もあるのでしょう。
ここからは、三輪山や卑弥呼のお墓や古墳群が見渡せるそうです。飛鳥の里をいつかゆっくり歩いてみたいですねぇ。




本より

11/25/2008

圓光寺



曼殊院からは歩いて、圓光寺に向かいます。のどかな住宅街で、東山付近のように観光客が道いっぱい、ぞろぞろ押し寄せるということは全くありません。この辺りでは紅葉の名所になっているので、さすがに圓光寺境内には人がけっこういました。開いたのは徳川家康で、初めは学校だったようです。水琴窟があり、きれいな澄んだ音色が聞こえます。庭のモミジは随分散っていて(木が多いので、そういう感じはしませんが)、真っ赤なじゅうたんが敷き詰められたようになっていました。池のまわりをゆっくりと歩くことができます。



曼殊院門跡



 
叡山電車に一駅乗って、修学院から歩いて20分くらいで曼殊院に着きます。もちろん境内も素敵ですが、外の塀沿いが石垣になっていて、モミジが見事です。


書院には狩野探幽のふすま絵が多く残っていたり、生け花のもとになる立花図が残っていたり、引き手の金具、欄間や釘隠しにも工夫がされていて、なかなか見所があります。

11/23/2008

紅葉だより3

南禅寺


とうとう新聞に”落葉近し”という欄が登場しました。


11/22/2008

夕暮れの清水寺




ここ2〜3日は京都もぐっと冷え込み、空気が冷たくなってきました。あわてて厚手のコートを引っ張り出して着ています。今週末が観光のピークでしょうか。清水寺の参道もすごい人出です。ここは昔から(平安、中世、近世)参詣者で大変にぎわっていたそうですから、仕方ありませんね。モミジはまだ青い葉が目立ちますが、景観は見事です。今後25年は見られないという、清水寺のご本尊(千手観音)や秘仏群を見ることができたのは、花山法皇没後千年の記念特別御開帳のおかげです。この時期に京都にいられたことに感謝!

11/19/2008

青い光

昨日の夕方、南禅寺あたりを歩いていた時、強い風が吹いて、イチョウやモミジの葉がパラパラと散ってきれいだったのですが、今朝の新聞を見てびっくり!”近畿地方木枯らし1号”とのこと。とうとうやってきましたか・・・今朝も冷え込みました。昼間は晴天。
紅葉の写真にちょっと食傷気味なので、今日は先日行った青蓮院のライトアップの写真にしましょう。紅葉のライトアップは、おどろおどろしくてあまり好きではありませんが、ここのは、今はやりの発光ダイオードを使った青い光のショーです。広い苔庭が海の波、又は宇宙の星クズのように変化します。真っ暗な中、青い光が現れると皆いっせいにオーと歓声をあげています。これが消えると今度は梵語(ボロン)が白く浮かびあがり、また暗闇に。そして静かに次を待ちます。一瞬にして消えてしまうので、写真に撮るのはかなり難しいです(腕の問題ですが・・・)。


11/18/2008

天授庵



今日から京都も冷え込んできました。風が冷たいです。
このところ、ずっと自然の風景の中の紅葉を楽しんできましたが、ここのお庭を拝見して、いやー、技を尽くし、意図的に作られたお庭のすごさに感服しました。臨済宗南禅寺の塔頭で、こじんまりとしているので、うっかりすると見過ごしてしまいそうです。お庭は枯山水の本堂前庭と池泉回遊式庭園の書院南庭があります。紅葉もちょうど見頃で、息を飲む美しさでした。

本堂前庭




書院南庭