
この船遊びは898年の宇多上皇の御幸が始まりとされ、船上で詩歌や舞楽などが披露されたという故事にもとづくものだそうです。船の上では雅楽や踊りの他にも、絵を書いたり、歌を詠んだり、お茶を楽しんだりしていました。




そしてクライマックスは扇流し。神社に納められた扇子を奉納者の芸能上達を祈りながら川に流します。昔、足利尊氏が嵐山近くの天龍寺へ参詣の折に、お供の童子が誤って川に落した扇が川面を流れる優美な様をご覧になって大層喜ばれたことから、それ以後天龍寺参詣の際、お供の人々が競って扇を川に流したという故事によるものだそうです。

そして最も驚いたのは、この神事を一般人が手漕ぎボートに乗ってすぐ近くで見物したり、一緒に船遊びができるということです。時には神事の船に囲まれたり、邪魔をしたり、お互いのボートがぶつかり合ったりするのですが、誰もとがめません。雅な世界というのは、何事にも鷹揚なのですねぇ。ただし、川岸で場所取りをしてズラーと望遠カメラをかまえている人達にとっては、すごくじゃまな存在だったでしょうね。



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