10/28/2017

運慶展@東京国立博物館平成館

興福寺中金堂再建記念 特別展「運慶」

混雑が予想されていたので、夜間延長のある金曜日の夕方に行ってきました


運慶が関わったとされる仏像22体に、父康慶や息子、弟子などの慶派の作品も含めて合計約80体が一同に集められた最大の展覧会です。

(朝日新聞号外より)

一番楽しみにしていたのは円成寺(奈良)の国宝「大日如来坐像」です。運慶20代のデビュー作と言われているものです。どこから見ても均整がとれていて美しい姿です。

(本より転写)

大昔、修学旅行で訪れて初めて心に残った仏像です(もちろんその時は全く仏像には興味も知識もなく、大日如来の意味や運慶すら知らなかったのですが・・・)。その時はまだちゃんとお堂の中で拝見できましたが、最近は多宝塔の中に収められていて窓から覗くことしかできなかったので、近くで拝めるのはうれしい限りです(今後は収蔵庫に移られるそうですが)。

(芸術新潮より)

普通仏様は扁平足と言われていますが、運慶のこの像の足裏は現実の人間のように土踏まずがあると注目されています。展示室で一生懸命のぞきこみましたが、この写真のように、はっきりとは見えませんでした。ライティングのせいですかね。

(本より)

奈良北円堂の国宝「無着・世親菩薩立像」。普段は暗いお堂の中であまり近づくこともできませんが、今回は本来北円堂にあったとされる四天王像(現在は南円堂に安置)も一緒に配置されていて、手を伸ばせば触れるほど間近にすべての角度から拝見することができました。お顔や手に浮き出た血管やシワなどがはっきりと見てとれ、玉眼のはいったお顔は角度によって優しくも厳しくも見え、衣のひだは本物の布のようで、まるで実在の人間がそこに佇んでいるようでした。実際には会ったこともないインドのお坊さんの姿をここまで想像して作り上げる才能に感服します。

(朝日新聞号外より)

こちらは金剛峰寺の国宝「八大童子立像」のうちの6体。以前金剛峰寺やあべのハスカスで見た時と違って、今回は1体ずつガラスの中に入っていましたが、360度ぐるりとじっくり拝見することができました。それぞれ玉眼の色や角度が違っていて、手足も後ろ姿も子供らしく表情が生き生きとしていました。運慶は、それまでの美しいけれど遠い存在だった仏さまを、身近で現実的な姿で表現したことがすごいと思います。


蛇足ながら、ファンクラブサイト「運慶学園」(http://unkei2017.jp/gakuen/)なるものができていて学習でき、会場でバーコードをクリックすると卒業証書がもらえます。






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