2/26/2019

いざ、浄土寺へ 1

淡路島の帰りに神戸に立ち寄り、念願の浄土寺(兵庫県小野市)へ行ってきました。2年前の奈良博での「快慶展」にもお出ましにならなかった、快慶の阿弥陀三尊像にお会いするために。


この浄土堂は東大寺再建の勧請を行なっていた重源上人が播磨別所として1192年に建てた、珍しい大仏様の建築様式(他には東大寺の南大門だけ)で国宝に指定されています。


大仏様というのは当時の中国(宋)の影響を受けていて、天井を張らず、赤い大きな柱や肘木などの木組みがむき出しになっている壮大な造り。西側全部は格子状の蔀戸になっています。この重源と快慶が作り上げた傑作が、浄土堂のミラクルを演出しているのです。

 (パンフレットより)

快慶による阿弥陀三尊像。中央の阿弥陀像は5.3m、両側の勢至・観音菩薩像は3.7mもあり、下から見上げるとすごい迫力です。雲に乗って西(西方浄土)からお迎えにきてくださっているお姿です。


普通の阿弥陀仏とは逆の右手を伸ばし、左手は指を三本立てている珍しいお姿です。爪が異常に長いのも特徴です。

晴れている日の夕方には、蔀戸から強い西日が差し込んで三尊の後ろの床に反射し、その光が吹き抜けの屋根裏や柱に届くと乱反射して朱色に輝き、それが上から三像に降り注ぐという仕掛けになっています。その光輝く姿を仰ぎ見て、ご来迎を信じていた昔の人はさぞかし感動したことでしょう。

(日経BP「美仏巡礼」の写真を暗く加工)

曇っている日はこの写真のように薄暗いです。私が訪ねたのは薄曇りの夕方でこんな感じでした。冬の夕日は真西よりもずれて沈むので光りの具合は弱いそうです。お堂は正方形で一周することができ、側面も背面もじっくりと見ることができます。

快慶は後年たくさんの三尺の美しい阿弥陀仏を造りましたが、この三像はまだ若い頃の作品なので、予想したよりは大雑把な感じがしました。

下からじーっと見上げていると、フワーとお顔が明るく輝いてきました。「気のせいかしら」と思っていたら、瞬間的に薄日が入り込んてきたのです。「おー!」感動です。生き生きとした表情が浮き上がって見えました。冬の日は低く長く射し込むので、三像の前の床板にも光が届くそうです。



外から見た西側の蔀戸。屋根も夕日を遮らないようにそり上がっていないそうです。

この三尊像は建物の土台に乗っていてお堂と一体化しているので、外部にお出ましはできない仕組になっているそうです(納得・・・)。


もう一度、いつか夏の強い光で輝くお姿も拝見したいものです。



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